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近いうちにウインタブさんでネタにしようと思っていますが、Yahoo!オークションで偶然出品されていた「T-Mobile G1(HTC Dream)」を落札いたしました。

本端末は2008年10月にアメリカの携帯キャリアであるT-Mobileから販売されたHTC製スマートフォンで、正真正銘「世界最初のAndroid端末」です。

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Android Version0.5ビルドが搭載されている真の意味での”世界初のAndroid端末”(一般販売なし)

(実際には2007年のOHA発足時点でこれとは別にHTC製の開発用デバイスが存在しているのですが、こちらは一般には出回っていません)

ストックOSはAndroid 1.0。最終的にAndroid 1.6″Dounut”までアップデートされました。

購入した商品はすでに最終バージョンの1.6までアップグレード済みとなっており、アクティベーションも完了済みとなっていたのですが、おそらく本端末の所有者と思われる、2010年が最終同期となっているGoogleアカウント情報が残っており、精神的によろしくないので初期化をかけることにしました。

ただしこのころのAndroid端末は初回セットアップにSIMカードが必須であり、さらに本機の場合Wi-FIでの初回セットアップが行えずT-Mobile契約のSIMカード経由でないとGoogleアカウントのアクティベーションが行えず、積んだ…とおもったのですが、対応策が存在しており

「初期バージョンであるAndroid 1.0にダウングレードすると緊急通話画面でコマンド入力することでデバッグモードを有効にできるのでUSBデバッグを有効にしてADBでWi-Fi設定を呼び出せばWi-Fi経由でGoogleアカウントの設定が可能」

でした。

というわけで一度Android 1.0にダウングレードしてGoogleアカウントを登録してからAndroid 1.5→(1.5マイナーアップデート)→1.6にアップグレードしなおすことにしました。

なおT-Mobile G1、およびG1がベースとなっているSIMフリーの開発モデル「Android Dev Phone 1」用のファームウェアは今でも以下のサイトから初期バージョンの1.0から最終バージョンの1.6、カスタムROM含めダウンロード可能となっています。

Android-Roms : Google Code Archive

日本ではこれから1年後にドコモから発売したAndroid 1.5(こちらも1.6が最終)を搭載した同じくHTC製のスマートフォンである「HT-03A(HTC Magic)」が国内最初のAndroid端末となります。

ちなみにこちらも以前なぜかじゃんぱらにて500円で大量放出していたものを購入しているため、これで「世界初」と「日本初」のAndroid端末が手元にそろったことになります。

すでにAndroid 2.1″Ecreia”以前のバージョンに関してGoogle開発者サービスのサポートが終了した兼ね合いでGoogle Play Storeにすらアクセスできず、アーカイブサイトから古いバージョンのアプリを自分で拾ってこないとまっとうな環境構築すら厳しい現状です。

特にT-Mobile G1の場合、最終バージョンのAndroid 1.6も含め日本語ロケールは入っておらず、日本語表示こそ可能ですがShimejiなどの日本語IMEをインストールしない限り日本語入力すら不可能です。

YouTubeアプリも数年前に行われた仕様変更ですでに旧アプリの利用は不可能となっており、ストックの状態でまっとうに使えるのは現在のWEB規格に対応しきれなくなったAOSPブラウザ(発表当初は”Chrome Lite”と呼ばれていました)とGoogle Mapくらいなのではないでしょうか。

スペックも528Mhz稼働のSoCに192MBというメインRAM容量、当時はアプリ保存専用領域だった256MBしかないストレージとかなり貧弱で、カスタムROMを入れてもAndroid 2.3世代が限度と一般的には”産廃”と言われるような端末ですので正直一般の人からすれば「なんでそんな骨董品に金出してるの?」と言われてしまうかもしれません。

ただこの端末がなければ今のGalaxy S8/Note8やXPERIA XZ1、OnePlus 5やZenfone 4(2017)といったAndroid端末は存在しないわけで、そういった意味では歴史的にも重要な一台だったので個人的にG1とHT-03Aは絶対に揃えたいと思っていました。

G1、HT-03Aともに近いうちにウインタブさんで紹介記事を書こうと思っています。

ちなみに2008年にHT-03Aが登場した時、正直かのあゆはAndroidという新しいプラットフォームは新鮮だとは思っていたものの、BlackBerryやかつてのPalm端末同様ガジェット好きのマニアにしか普及せず、自然消滅していくだろうと思っており、同時期に発売した世界初のQualcomm Snapdragon(1Ghz)搭載Windows Mobileスマートフォンである「T-01A」のほうを注目していました。

まさかこれから数年のうちにガラケーAndroid端末が一般ユーザー層に普及しさらにガラケー用OSもAndroidにリプレースされ、逆にMicrosoftのモバイルOSでWindows Mobileの血を継承しているWindows 10 Mobileが収束に向かうことになるとは…(汗

関連リンク

HTC Dream: Wikipedia

速報レポート – 初のAndroid端末「T-Mobile G1」がNYでお披露目 : マイナビニュース